イオウ プランター農業 オリジナル培養土の中身とは16
今日は植物の肥料なの?イオウの話です。
温泉地などで卵の腐った臭いがするあのイオウです。
ちなみにネギ類が腐るとすごく匂うのもイオウのせいです。硫化アリルという成分がかかわっています。
植物の体の中でたんぱく質や原形質の構成に関わる成分です。
植物は、硫黄を硫酸イオンとして根から吸収し利用します。
根から吸収されたイオウは素早く前進に移動します。その後、生長が盛んなところへ集積します。
いったん集積するとほとんど移動しにくくなります。
欠乏症は移動できるイオウが無くなった後に起こるため成長が盛んな芽とその付近の葉で出やすくなります。
植物により症状が異なるので一概に言いにくいところではあるが、植物の上部から緑色が淡くなり生長が遅くなる症状や葉の周縁が紫色になる場合もある。
窒素欠乏症と似た症状になるが、症状の出方で判別するとよいでしょう。
イオウは土を構成する鉱物中に含まれ、雨風にさらされ風化することで植物が利用できる形となります。
石炭や石油が燃える際に大気中へ硫黄がSO2の形で放出され、雨により大気から洗い流され植物に必要十分な量が供給される地域も多い。(1975アメリカ)
イオウは土壌中でその多くが硫酸イオンの形で存在します。
この硫酸イオンは雨で洗い流されやすいです。
普通の家庭菜園であれば、一般的な化成肥料の中に窒素かカリウムを配合するときに副成分として含まれます。(硫安や硫酸加里等)
意識して施す必要はないでしょう。
筆者の使い方
pHを減少させたいとき、硫黄華を砂~粘土質:50~300g/㎡添加し1か月以上置いて作付けする。(ブルーベリーや茶の植え付け)
置く時間は長いほど良いです。硫黄が徐々に硫酸に変化しながら土を酸性化させます。
この処理は入れすぎの場合の取り返しがつきません。少ない量から始めてください。
硫安を水に溶いて液肥として散布します。
硫酸が入ると芝生に生えるコケや藻を防ぐ効果があります。
上の写真の現場では液肥をオリジナルで配合して管理していました。
上記表の成分を500mlの水に溶いて500倍に薄めて使用しました。
この配合は、芝を張って一年目の現場の場合です。
二年目以降は様子を見ながら尿素、リン酸、カリウム、苦土を削っていき、硫安単体にする予定とします。
硫安のみで生育が思わしくなければ鉄資材を入れていきます。
もちろん、コアリング、水やり、目土、芝刈りは通常通り行った上でです。
芝生は、他の植物と違って見た目が命です。
そして、お客様が考える要求も非常に極端になります。
常に青々として、伸びにくく、管理が楽にですね。
常に青々として、伸びにくくするには、窒素のみを供給して、リン酸とカリを極端に削る。
リン酸とカリが少なくなることで縦方向に伸びることが制限されますが、窒素があることで葉は青々とします。
そして伸びにくくなることで芝刈りが楽になります。
これまでの肥料の話の応用ですね。
ちょっと複雑なイオウの話でした。
ありがとうございました。
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