投稿

11月, 2020の投稿を表示しています

炭 プランター農業 オリジナル培養土の中身とは9 

イメージ
 炭といればバーベキューに使用するイメージがありますね。 その性質から農業でも利用されています。 その歴史は古く1696年の宮崎安貞著「農業全書」巻の一に登場する。いろいろなものを蒸し焼きにした焼糞と下肥を混ぜたもの。水田にも小麦や野菜にも良い。こと豆に関しては比べ物のない肥である。 「百姓伝記」巻六にはわら灰をやると病気や虫がつかない。 蒸し焼きにしたものは一種の炭でくん炭に似たもののようです。 肥料や農薬がなかった時代には自然の力、微生物の力を最大限に生かした栽培技術が進んでいたようである。 微生物の活動や作物と共生する微生物の活性を高めることが分かったのはごく最近です。 炭の原料によって性質が異なります。一つずつ説明していきます。 この世界奥が深すぎるのであっさりと行きます まず、大雑把に白炭と黒炭に分けられます。 白炭は、炭焼き温度が高く、硬く、煙が少なく、遠赤外線を多く発生させるため調理用に用いられることが多い。 黒炭、白炭と比べ炭焼き温度が低く、着火のしやすさ扱いやすさから、茶道、鍛冶、バーベキュー、料理、土壌改良剤様々に使われる。 土壌改良剤としては主に黒炭が使われます。 主な効果 ①多孔質のため、保水性が向上する。 ②粒子が土より大きいので隙間が多くなり、排水性が高まる。 ③樹木に含まれる成分が炭化しミネラルとして供給される。 ④pHが高い ①、植物の体には、水分を運ぶストローと養分を運ぶストローがあります。 これが炭になることでストローの集合体のような状態になります。このストローの部分には水をためることができます。この作用で土の保水性が向上します。 ②、土の粒子よりも大きい炭が混ざることで、炭と土の間の水が下へ流れやすくなり排水性が向上します。 ③、植物の体は様々な成分でできています。その成分を利用するために腐らせたり、細かくしたりするわけですが、もっともロスなく手に入れるには焼くのが一番です。 焼くことで植物に含まれるミネラルが水に溶けるようになり植物へ供給されます。 ④pHがアルカリ性で8~8.5あります。酸性を改良するために使用できます。 それではどんな炭があるか述べていきます。 のこくず炭 スギ、ヒノキ、外材などの針葉樹およびラワン材ののこくずが原料。 大型の炭焼き炉が使われ高温で炭化させてあり、白炭に近い。 のこくずなので非常に粒...

鉢底に敷くだけじゃないの!?軽石 プランター農業 オリジナル培養土の中身とは8 

イメージ
 あまり使われることのない軽石の話です。 筆者よく軽石使います。説明していきます。 軽石の原料はマグマです。地下深くから地上へ上がる際に圧力が下がることでマグマ中に含まれる水等が発泡して多孔質になったものをいいます。 性質は、通気性、排水性に優れます。サボテンや観葉植物、ラン、山野草に用いられます。 一般的な使い方として、大粒のものを鉢の下に1cmほど敷き排水性を高め、通気性を確保する方法です。 サツキなどでは小粒のものを鹿沼土、日向土と腐葉土を混ぜて作られるのが一般的でしょう。 ここからは筆者の使い方です。 軽石のもっと使い方の幅が広がらないかと研究をしました。 当たり前のことかもしれませんが、軽石はかなり水を含みます。そして軽石間の隙間が大きいため排水性も高いです。 このことから、古くなり排水性が落ちた培養土や老木になった樹木の土壌改良に使えるのではないかと考えました。 パーライトと一緒ではないかと考える方がいらっしゃいますよね。 しかし、似たような性質でも軽石のほうが重いんです。 土に求められる性質として、水分を供給する、養分を供給する、微生物の住みかとなる、 植物を支える 。この四つがあります。 土は、軽くなればなるほど植物を支える能力は下がります。パーライトを入れてしまったら軽くなりすぎてしまうが、排水性、通気性は確保したい。そんな時は軽石の出番です。 古くなった培養土に10%程度加えると水はけが向上し、土も柔らかくなりました。 樹木の土壌改良に軽石を使用することでなるべく軽くせずに通気性、排水性を確保することができました。(その他改良剤も併用です) もう一つ使いやすい点は、肥料分などはなく、ただ排水性など物理性を向上させることです。 水はけなどをよくするには堆肥を加えてもいいです。しかし、堆肥には肥料分が含まれます。多く入れすぎることで土の栄養バランスを崩すことがあります。 その点、軽石は余分な肥料を含まないので、ただ物理性を高めるという一点にのみ効果を発揮してくれます。 効果を限定してシャープに利かせることができるというのは、汎用性に優れる最大の利点となります。 ぜひ、軽石使ってみてください。 筆者は、ネギ、トマト、ナス、レタスをプランターで作る際には必ず入れるようにしています。 細かくなりにくいので、一回入れると数年は追加で入れなくていいのも...

農薬?肥料?窒素?不思議な石灰窒素の話 プランター農業 オリジナル培養土の中身とは6

イメージ
  農薬でもあり、肥料でもあり、石灰でもあり、腐熟促進剤でもある不思議な肥料「石灰窒素」について書いていきます。 途中で読むことをやめてしまうと大きな誤解を生みます。必ず最後までお読みください。 その歴史は非常古く、1895年にはじめて合成された。その特異な特徴から今でも重要な窒素肥料であるし、石灰肥料でもある。 主成分はカルシウムシアナミド60%と窒素21%を含むため、硫安と同程度、消石灰と同程度の肥料がある。 農薬としての効果。 土に混ざると、水分と反応してカルシウムシアナミドからシアナミドに変化します。このシアナミドが生物に対して有毒で、種子に触れれば発芽を阻害し、葉にかかれば枯れる。逆にこの特性を生かせば、土壌中の病害虫や雑草を防除することに役立つ。秋に使用すると種が春と勘違いして一斉に発芽しその後の霜で枯れるという効果もある。 肥料としての効果。 シアナミドは土の中でさらに分解されると、肥料である「尿素」に変わります。この尿素はさらにアンモニアへと変化します。この後に速効性のあるチッソに変化しますが、この変化をゆっくりにする効果があるため緩やかに植物へ供給されます。 窒素と石灰が含まれるため、有機物の腐熟を促す作用があります。 ここで具体的な使用方法です。 注意点として、必ず直接触れないように注意してください。ゴム手袋、長靴、マスクをしましょう。風の強い日は避けたほうがいいでしょう。 畑であれば20g/㎡、培養土であれば0.2g/ℓを基本とします。 pHメーターで測定し、7.0以上ある場合には使用しないほうがいいでしょう。 6.5程度であれば基本の量、6.8程度なら基本の半分程度混ぜてください。 よく混ぜ合わせ、夏なら7日、冬なら10~14日置きます。 その後pHを測り、7.0より下回っていれば問題ないです。 堆肥や残渣を漉き込むときに使う方法です。 堆肥1キロ当たり20~40グラムをよく混ぜこみ、切り返しをしながら腐熟させる。3~5か月で完成する。 緑肥や残渣をすきこむ際には20~60g/㎡を振りまいたのちによく耕す。 筆者の使い方 トマトなどが終わった後に、石灰窒素を振りまいて寝かせておき、しっかりと農薬としての効果を引き出す。 一度使用した培養土に、堆肥を投入し、石灰窒素も一緒に入れる。前策の病気や、害虫を殺すとともに、万が一堆肥が未熟だった...

石灰 プランター農業 オリジナル培養土の中身とは7 

イメージ
鹿沼三兄弟編で少し触れた石灰について話していきます。 プランター農業で使用する主な石灰資材は、石灰窒素、苦土石灰、硫酸カルシウムになります。 それぞれに特徴もあり、種類も豊富なので良い機会ですから石灰全般で話していこうと思います。 石灰に求められる効果は大きく分けて二つになります。 ①肥料としてのカルシウムの供給 ②土壌のpHを適正に保ち、肥料の吸収を円滑に行わせる。 ③有機物の分解促進 ④有害微生物の繁殖抑制 ①理由は、植物の生長に欠かせないものです。植物の中にある酸を中和しペクチン酸と石灰が結合して細胞膜を作ります。植物の体を作る骨格となります。 次にたんぱく質の合成に石灰が必要になる。 根の生長に石灰が有効である。 まとめると、植物の全身を構成するために必須の成分となります。 ②の理由は、土の酸性を矯正し、有害なアルミニウムを不活性化、使えなかったリン酸を使えるようにする、微量に必要な金属類の吸収促進など。 不必要なものを無害化し、必要なものを吸収しやすくする効果があります。 ③土の中に含まれる有機物の分解を促進し、土壌をふかふかにし水はけや保水性を向上させる。 ④pHが急激に変化することで病原微生物の繁殖を抑制する。 この点から、石灰資材は土壌の生産性を上げるために必須の成分である。 石灰は製法や成分で三つに分類されます。 グループ① 生石灰、消石灰、炭酸石灰、苦土石灰 グループ② 副産石灰、混合石灰、貝化石肥料 グループ③ 貝殻、貝化石粉末 それぞれ述べてみます。 グループ① 生石灰 アルカリ分が80~95%、く溶性マグネシウム27~30%含まれる。石灰岩を熱し炭酸ガスを放出したもの、土壌に対する酸性中和能力が最も高い。土の中で激しく反応し他の石灰資材では上げにくいpH7以上へすることもできるため、土壌病害対策もできる。水を加えたのち消石灰の状態で施用する。ただし、植え付けの14日前から施し、反応を終わらせたのちに作付けしないと植物が枯れることがある。肥料は一緒に施用してはいけない。チッソとリン酸が損失する。保存中に湿気たり、水にぬれると激しく発熱するため取り扱いには注意が必要である。なるべく使用しないほうがよいでしょう。 消石灰 アルカリ分60~70%く溶性マグネシウム5~20%を含む。生石灰の量の1.3倍施用する必要がある。生石灰に水を加えて反応させた...

堆肥 プランター農業 オリジナル培養土の中身とは5 

イメージ
 プランター農業で使用する堆肥はバーク堆肥と牛糞堆肥を半々で混ぜ合わせたものを使用します。一口に堆肥といっても様々な種類がありますので堆肥全般について書いていこうと思います。 堆肥の種類は、主となる原料で分類されます。 原料には、牛糞尿、鶏糞尿、豚糞尿、樹皮、おがくず、かんなくず、藁、草木、もみがら、みかんの果皮、コーヒーかす、パルプくず、剪定枝葉、焼酎廃液、廃菌床等になります。 それぞれの特徴を詳しく書くと一冊本ができそうなのであっさりと触れていきます。 牛糞尿 特に水分が多く、肥料成分が少なく、繊維質に富む 豚糞尿 水分は牛糞と比べて少なく、窒素やリン酸が多い、繊維質はやや乏しい 鶏糞尿 牛、豚糞と比べて最も水分が少なく、窒素、リン酸、加里、カルシウムが多い堆肥というよりは肥料というほうが近いかもしれません。分解速度が速く繊維質が乏しい。 樹皮、おがくず、かんなくず 繊維が最も多く、丈夫。非常に腐りにくい。生育を阻害する物質を含む。野ざらしにし有害物質を洗い流し、繊維がほどけ易いようにする。おもに家畜糞尿に混ぜられるか、飼育場所の敷材に使われる。腐りにくいため、発酵助剤として使われることが多く、それ単体での製品は少ない。 藁、草木。地域によりバラつきが大きい。繊維が多く、肥料分は乏しい。それ単体での堆肥化は難しく、家畜糞尿と混ぜたり窒素成分を添加してやる必要がある。 もみがら 家畜を飼うときに使われる敷材(おがくず、稲わら)が不足してる現代において敷材として広く使用される。よって家畜糞尿と混ざった状態となる。稲わらと違い隙間が多いため水分調整が容易である。わらなどと一緒でそれ単体では堆肥化し難い。 みかんの果皮。缶詰加工時に発生する外皮と内皮、ジュース加工されたカスを原料とする。一部実用されているが、ほとんど利用されていない。そのほとんどを埋め立て処理される。特徴としては窒素分が多い。研究がほとんどされておらず施用効果はわからない部分が多い。 コーヒーかす。インスタントコーヒー製造の際に排出される。成分として分解されやすいが生のまま施用すると植物が育たない。そのまま野ざらしにしても堆肥化は進まない。分解しにくいバーク等に混ぜる必要がある。 パルプかす。製紙する際の様々な薬品が残っていることが問題。一般消費者は使わないことをお勧めします。 剪定枝葉。品質に...

バーミキュライト プランター農業 オリジナル培養土の中身とは4 

イメージ
今日は土壌改良資材バーミキュライトについて話していきます。 バーミキュライトは、ひる石を800℃ほど熱すると石の雲母層が剥がれアコーディオン状に膨らんでできたものです。 元の容積の10倍も膨らみます。 膨らんだ部分に水や肥料をつなぎとめるので保水力、保肥力ともに上昇させる資材である。 特に肥料をつなぎとめる力は強く、鹿沼三兄弟で紹介した黒土の12~17倍もあります。 使用方法を誤ると植物の根では吸収できないほどの肥料の吸着力を持ちます。(使用したバーミキュライト(肥料を吸った)を乾燥させるなど) 土に混ぜた時の効果 パーライトと少し似ているところがあります。 バーミキュライトそのものの中に水が入り込むことで保水性が向上します。 土の隙間が増えることで水はけがよくなります。排水とともに空気を引き込むので通気性がよくなる。 培養土にした場合ですが、軽量化になります。 前述したように保肥力が高い。畑にある肥料を一時的に吸着し、徐々に植物へ提供する。 肥料をやりすぎてしまったときに根いたみを軽減することができる。 有機物が分解されるときなどにおこるpHの上昇、下降を緩やかにすることができる。 実際の利用方法 種まき土に使う。保水性と排水性、通気性がよくなるので、水、空気、温度が必要な種子発芽の条件を満たすことができ、発芽を促進することができる。 苗土に使用すると根鉢が崩れにくくなり植え替えの際のダメージが軽減できる。 草花、野菜、果樹で20%以上添加した場合に粘土質や砂質、排水不良土壌で効果を上げている。 前述した鹿沼三兄弟、ピートモスの欠点を補う資材となります。 保肥力、保水性、排水性、通気性の向上。 土がカチカチになってきた、培養土が劣化してきた、肥料をやってもやっても利きが悪い。水はけが悪い等、様々な問題解決の一助となりえる素晴らしい資材です。 基本の混合量は10~50%です。 ここからは、個人的な見解ですが多く入れすぎると隙間が多くなりすぎで土は湿っているのに種は乾いているとか、隙間が多すぎで乾燥害がでることがあります。べとべとの田土を畑にするなどの特殊なケースを除いて50%を一気に入れるのは得策ではありません。一年の添加量は5~10%までにされたほうが安全です。5%を一年づつ入れて4年(20%)とか10年(50%)のような使い方のほうがいいです。目標とする改良がで...

パーライト プランター農業 オリジナル培養土の中身とは3 

イメージ
土壌改良資材のパーライトについて話していきます。  パーライトとは、真珠岩または黒曜岩を900~1200℃で急激に熱するとポップコーンのように膨張したものです。  最大の特徴は膨張した際にできた小さな穴にあります。 その穴に水分が入り込み保水性を高めます。 そして、パーライトと土壌に大きな隙間ができることで排水性も高まる。  なので、粘土質な土にパーライトを混ぜると余分な水分は排水し、パーライト自体に保水性があるので植物が利用できる水分の量が増えます。  反対に砂のような土では、水はけがよすぎて乾燥してしまいますが、パーライトを混ぜることによって保水性が高まり、植物が利用できる水分の量が増えます。  両立の難しい、保水性を高めて排水性も高めるといった一見矛盾する条件をクリアすることのできる面白い資材になります。  もともと植物が育ちやすい、地域では混入しても効果がわかりにくいということはあります。  水はけが悪すぎる、水はけがよすぎるといった土にはとても有効です。  応用的な使い方として2でお話ししたピートモスの乾燥による撥水によって乾燥害が出てしまう問題を解決することができます。  ピートモスに10%程度混入すると乾燥害を和らげることができます。 ブルーベリーの土で鹿沼土とピートモスのみで作成することがありますが出来れば10%程度混ぜることをお勧めします。  ブルーベリーは極端な乾燥も過湿もダメージになるからです。  質の悪い培養土(ベタベタやサラサラ過ぎるもの)を購入してしまった際もパーライトを10~20%混入することである程度使用できるところまで改良することが可能です。  余談ですが、最もパーライトが利用されているところは工業用品です。孔隙が多いこと、それ自体が不燃性を持つことで各種断熱材の材料として利用されています。 農業でも工業でも使われているすごい資材です。

ピートモス プランター農業 オリジナル培養土の中身とは2 

イメージ
 ピートモスとは、泥炭とも呼ばれます。寒冷な湖 沼地帯に生育したヨシ、スゲ、ミズゴケなどの遺体が空気の少ない条件で堆積分解したものです。泥炭が積極的につくられたのは氷河期から温暖期です。(約3000万年前) その後、二つに分かれることになります。乾燥した地域では下の写真の黒泥になり、涼しく湿ったところでは上の写真のように植物の形を残した状態になります。 こういった涼しいところでなければ産出されないので産地は限定的です。北緯45~65°の間に分布します。この地方は別名「ピートランド」呼ばれ、数億haに達しています。もう想像できる広さではないですね。さらに驚くことに今でも泥炭は蓄積し続けています。 日本で産出できるところは北海道のみです。本州で出るとしたら黒泥です。 ピートモスは深さと材料となる植物によって三つに分けられます。 低位泥炭 主にスゲ、ヨシなどが泥炭化したもの。黒色で泥に近い。弱酸性でミネラル豊富 中位泥炭 低位泥炭の上に蓄積し、カヤやスゲが堆積し水面にまで現れるほど堆積する。 茶色と黒色を混ぜたような色で、酸性がやや強い 高位泥炭 中位泥炭の上におもにミズゴケが堆積し、分解はあまり進んでいない。淡褐色で繊維が多く弾力があり、保水性、水はけがよい。強酸性でミネラルは乏しい。 これが、いわゆるピートモスとして販売されているものである。 市販品を見ると 酸度調整品は未調整品がある。 もともとが強酸性なので石灰等で6.5程度に調整したもの 未調整はそのままです。 主なピートモスの特徴 繊維に吸水性があるので保水性が高まる。 繊維の間に空気が入るので通気性がよくなる。土が固くなるのを防ぐ。 保肥力が強い。一般的な日本の土の7~10倍肥料を保つ 持続性が長い。分解が遅いので長期に効果が維持される。 それ自体に肥料成分がない。 極端に乾燥すると撥水し水がしみこみにくくなる。 ピートモスの効果 土を柔らかくし、長く効果が維持される。 微生物の住みかとなる。 保肥力が大幅に上がる。 過剰に肥料をやってしまったときに植物へのダメージを低減する。(土の容積に対して5~20%添加)20%以上施用すると逆に生育を阻害するので気を付ける。 ちょっと難しい話でしたがいかがでしたでしょうか。 次の更新を楽しみにしてください。

鹿沼三兄弟(黒土、赤土、赤玉土、鹿沼土)プランター農業 オリジナル培養土の中身とは1 

イメージ
 プランター農業で使用するオリジナル培養土に含まれる資材について少しずつ書いていこうと思います。 今回は最も多く配合している鹿沼三兄弟(黒土、赤土、赤玉土、鹿沼土)をピックアップしていきます。 ホームセンターなどで売られている土で、黒土、赤土、赤玉土、鹿沼土は全て同じ場所から産出されます。おもに栃木県鹿沼市からです。 上から掘っていき、黒土層→赤土層→鹿沼土層となります。赤土層と鹿沼土層は場所によって入れ替わることもあるようです。 赤土を乾燥させ、ふるいにかけて、粒をより分けると赤玉土が出来上がります。 一方、鹿沼土は粒の状態で産出されます。そして土とありますが軽石の仲間です。 さて、この鹿沼三兄弟(黒土、赤土、鹿沼土)すべてに言える特徴ですが物理性(透水性、保水性)は最高、化学性(保肥力)は、土自体は中から下、黒土は腐植を多く含むため中程度。酸性。しかも、アルミニウムを多く含むためリン酸が効きにくいという性質があります。 ここからは、経験に基づく話になりますので正確さを欠くかもしれません。 私は、すべての土を使って培養土作成をしたことがあります。肥料の組成もほぼ一緒です。 リン酸を効きにくくさせる力に違いがあるような気がしてならないのです。 効きにくい順から黒土>赤土(赤玉土)>鹿沼土です。 粒子が細かい順になっているので表面積の問題ではないかと考察しています。 よく、肥料をやるときには8-8-8(NPK=8%ずつ)を100g/㎡等書いてあります。 上記の通り肥料を入れると8gずつ成分が入ります。この方法を上記の鹿沼三兄弟に混ぜるとリン酸が吸着されてほぼ0に近い値になってしまいます。 そうすると肥料をやったのに植物が生長しない。という事態に陥ります。 では、この使いにくい性質のある材料をどう使うのか。 できれば、簡単、安価なもので良いのでpHメーターの購入を勧めます。 まずは、酸性改良。 最初はpH4.5~5.5程度です。 培養土なら土1ℓに対して0.6gの苦土石灰 よく混ぜて、pHメーターで測る。恐らく0.5程度上がっていると思います。 今度は1g入れて同じことをする。 ここで6.5~6.8程度になっていればオーケーです。 畑であれば100g/㎡ずつ入れて測ってを繰り返します。 もし、怖ければ入れる量を減らして混ぜる回数を増やしてください。 ホウレンソウ...

畑の見える化に取り組んでいます。異常気象 ゲリラ豪雨 個人気象観測所 プランター農業 中津川市

イメージ
土壌水分計 風向、風速計 外の温度湿度計 降雨量計 スマホでの表示画面 webでの表示画面 誰でも気軽に農業ができるように今までは勘や経験で行われていた管理を見えるようにすることで経験不足を補えないかと考えました。 このシステムで測れるものは、室内の温度、湿度、気圧、屋外の温度、湿度、風速、風向、太陽光、降雨量、土壌水分です。 日本でセンサー類を調べていたらセンサーだけで5万円、システムに何百万とかかるのが普通です。 もうちょっと気軽にできないかと思い、方々探しましたが見つかりませんでした。 写真のセンサー類は輸入で入手したものです。 全部で8万円程度でできました。 さらに導入の簡便さも魅力の一つです。 必要な機材は、Wi-Fi環境と乾電池のみ。 その他必要に応じて、Wi-Fiハブ、降雨センサー、風向風速計、土壌水分計、温度湿度計 、スマートフォンもしくはモニター それぞれを別々に設置できるのも魅力の一つです。 例えば、いつも病気になるところには温湿度計をおいて消毒の参考にする。 風速計を利用して風の少ない時間に消毒する。 雨量計のデータから肥料の溶脱を予測して施肥をする。 雨が多かったとか暑かったなど感覚で話していたことが、数値になるのはかなり参考になるデータとなります。 篤農家もビギナーも役に立ちます。 当方では、各種センサー一体型のウェザーステーションタイプは採用していません。 なぜか、それぞれのセンサーに最適な環境が選べないからです。 屋外用温湿度計なら直射日光の当たらない日陰に置きたいが太陽光センサーが一体型になっていると太陽光が正確に測れない。 降雨量計は風の少ないところに設置したいが風速計が正確に測れない。 後は、任意に位置を動かして使いたいという理由もあります。 畑なら作付ごとにセンサーの場所を変えたいし、個人使用でもひさしなどの影響から位置が変えたいことが出てくるかもしれない。 データ自体はアプリ、ウェブで統合されるためセンサーが一体である必要はありません。 実用最優先でこの方式を採用しています。 欲を言えば、二酸化炭素、EC,土壌温度がわかるともっといいです。 現在メーカーとタイアップして開発に取り組んでいます。英語でのやり取りなのでドキドキです(笑) この製品はWunderGroud(IBM)と連携しています。世界中の家庭に同様の設備を設置し、...

プランター農業が花壇を作ると12か月花や野菜、果樹が楽しめる花壇、庭になる 岐阜県中津川市

イメージ
年間契約で管理を依頼されている保育園の園庭です。 もともとある植物を生かしながらという要望を叶えつつ、園児たちが季節を感じれるような園庭を意識しながら管理しています。 5年ほど管理していますが、最初はスコップが2センチほどしか刺さらない石だらけの土地でした。 堆肥や石灰、土壌改良資材を駆使しながら改良を行ってきました。 今では20センチ以上スコップが入りますし、苗を植える時にはスコップが必要ないくらいふかふかの土になっています。 春にはいちご狩り、ジャガイモ掘り、チューリップや、水仙がパンジーが最盛期になります。 夏にはヒマワリ、ペチュニア、日日草、ポーチュラカ、ハイビスカスで飾ります。ジューンベリーやブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー等、ベリー類も随時収穫していきます。 秋には、春のための植え込み。サツマイモ掘り 冬はクリスマスローズが素敵に咲きます。 ほぼ、12か月花を絶やさないよう意識してスケジュールを立てています。 予算を考慮に入れながら少しづつ少しづつ素敵な庭へ近づくようにしています。 予算の都合上、草取りがこまめにできないのが悩みの種です。 きれいにする基本は、堆肥や肥料、農薬の前に草取りです。 ホームページ ネットショップサイト

なぜ、農家が屋外で使う洗剤を売るのか 岐阜県 中津川市

イメージ
 屋外用黒ずみ落とし洗浄剤を開発した経緯を綴ってみます。 足掛け3年ほどかかって製品化に至りました。 少し長くなりますが開発秘話にお付き合いください。 新築から数年立つと壁や塀が黒くなる。 当たり前のことでキレイになってなると思っていませんでした。 そんな時、高圧洗浄でキレイになることを知りやってみました。 しかし、周りが汚れる、ご近所トラブルになる。何より寒いのが嫌でした。 さらに、すぐに黒くなってしまいます。 頑張ったのにすぐ元通りでは悲しいですよね。 そんなある日、農作業で使う鋏を消毒していました。金属を錆びさせないという性質のある消毒液でした。 消毒液を処分する際に不注意でに少しこぼしてしまったのです。 3日ほど経ったころ、こぼした部分だけ白くなっている!! それを見たときに黒くなった住宅の壁や塀に応用できるのではないかと思いました。 それから3年、研究の日々が始まりました。 濃度や方法、温度による違いはないか、持続力はどの程度か、なによりお客様への負担にならないか。 そしてこの商品は出来上がりました。 作業はかんたん。 「薄めて、かけて、こすって、流す」 これだけで黒ずみが驚くほどキレイになります。一回でキレイにならないときには頑張ってこすらずに「かけて、こすって、流す」を繰り返します。薬液と黒ずみが反応してキレイになります。 画像の写真は作業を2回繰り返したコンクリートブロックになります。 そもそもの黒ずみの原因は、汚れではなくカビです。 泥汚れ等を落とす洗浄力にプラスして特にカビに強い成分を配合した洗浄剤を作りました。 手順は前記したようにとっても簡単「薄めて、かけて、こすって、流すだけ!」 20倍に薄めて使用するため置き場所にも困らず、非常に経済的です。 50mlを1リットルの水に薄めて使用します。 紹介動画あります。 ここに至るまでに自宅で様々な試験を行って1m×10mもきれいになってしまいました。 この程度まではきれいになります。 処理する場所にもよりますが3か月~6か月程度維持します。 少し黒ずんできた場合には薬液をかけるだけでもきれいになります。 (がんこな汚れはこする工程が必要になります) 使用上の注意として眼や皮膚に刺激がありますので、ゴム手袋、マスク、ゴム長靴、保護メガネを着用して...

プランター農業のこだわり 中津川市 土壌改良

イメージ
プランター農業でのこだわり 鹿沼土と赤玉土をベースとした土壌改良剤たっぷりのオリジナル高級培養土 牛糞堆肥、バーク堆肥、ピートモス、パーライト、バーミキュライト、軽石、もみがらくん炭 肥料は状況に合わせて使い分けています。 単肥 尿素、硫安、過リン酸石灰、ようりん、骨粉、硫酸カリウム、塩化カリウム、微量要素資材 化成肥料、有機化成、被覆肥料(80日、150日) 植木鉢もこだわっています。 銀色のポリポット、スリット鉢、そこがすのこになっているプランター 特に空気がよく入るようなものを選んで植えこんでいます。 ホームセンターで売っている苗の土より10倍以上はコストがかかっています。 なぜ、高コストの土を使用しているか疑問ですよね。 土壌改良で目指す資材の量は土壌容積の5%が基本です。 1㎡当たりの土の容積は、深さ15㎝として計算するので1m×1m×0.15mになります。150ℓになりますね。その5%なので土壌改良剤の量は、7.5リットルになります。 土壌改良のみを行う場合のコストは、1㎡400円程度になります。そこに混入コスト、利益を乗せると。。。 正直、そんなにコストはかけれません。 どうするか。植えこむ苗の土で少しずつ土壌改良すればいいのです。 三号ポリポットで1鉢約130ml 夏のトマトなら4株。520ml 秋に白菜を植えた場合、6株。780ml  1年で少なく見積もっても1300mlは入ります。 目指す改良資材の量は75000ml 約6年で達成できます。 土壌改良は目標値に達して初めて効果が出るものではありません。 1%でも土に混ざることで、効果はでます。 何もせずに現状の土のままより、6年後に改善されてもっとよく育つようになったら嬉しいですよね。 プランター農業では数か月という短いスパンでの目標と、5年、10年といった長いスパンでの目標を立てて日々の作業に取り組んでいます。 各資材の効果はこれからの投稿で紹介してみようと思います。 ご期待ください。

岐阜県中津川市で植物プランナーをしています。 プランター農業 中津川市

イメージ
 植物プランナーを始めたきっかけを書いてみようと思います。 農業高校から大学の農学部を卒業し、種苗メーカーで8年、庭師として2年、今年から植物プランナーとして独立しました。 昨今の農園芸を見ていると、「収穫物を売る」「苗を売る」「寄植えを売る」「肥料等資材の販売」だいたいこの4つに大別されるとおもいます。 誰も「買った後」をフォローしていないのです。「苗が枯れた」「収穫できない」「花が咲かない」「聞いた通りに肥料まいたら枯れた」「そもそも大変で育てられなかった」 そんな話をよく聞きます。 その次に来る言葉は「もう二度とやらない」「つまらない」「わけがわからない」です。 そして家の片隅にプランターが追いやられ、年月とともに割れ、かけ、無残な状態で放置されるのです。 ただこういったプランターも夢があったはずです。 「いっぱい野菜ができたら」「孫のために」「花で可愛くしたい」 途中で挫折してしまった思いをなんとか拾い上げることは出来ないか。 そんなときに、家庭菜園を超える「プランター農業」を普及させていこうと考えました。 お客様の環境に強い品種。お客様の性格に合わせた土作り、長期間効く肥料選び、最低限の農薬の選定。 これらを組み合わせたものを「プランター農業」と名付けて岐阜県発として販売を開始しました。 そして、お客様の夢をかなえる「植物プランナー」を目指そうと決めました。 ↑の哀しいプランターもプロの手助けがあれば このように、立派に育ちます。 このお客様は成功体験を積まれご自分で種をまいて育てるほどになりました。 このような成功体験をもっと多くの人に感じてもらいたい。 家庭園芸を変えるのだという強い気持ちで臨んでいます。 ひいては、連作障害に悩まされる農業を、プランターで生産することで回避できるような農業の形を目指しています。 ネットショップ ホームページ