当たり前すぎてわからない!土、土壌って何?
日ごろから、「土作り」「耕す」「土壌」「土壌改良」など土に関わる用語がありますがそもそも土とは何でしょうか。
土壌の定義は、土「植物を生長させる大地」壌「柔らかく肥えた、豊か、時間をかけてゆっくりと」になります。
土、土壌の成り立ちは、ものすごく時間をさかのぼり4億年前になります。
4億年前はオゾン層が形成され、有害な紫外線が遮断されるようになり生物が地上へ進出しました。
それまでは海に生息していたため乾燥とは無縁でした。しかし、生物は地上へ出ると、水分を吸収し保持することが必須となりました。
そこで、植物は地中へ根系を発達させていきました。
芽吹く、育つ、繁殖、枯れるを繰り返すことで、それまで石、岩盤だった地表に植物の遺体が堆積していきます。この堆積物が地上での初めての土壌となりました。ちょっとそれますが、その後に植物が旺盛に繁茂したため、大量の遺体が蓄積し、泥炭化し、変成作用を経て石炭となりました。
この土壌が、地殻変動や気候変動により様々な地域へ分布し、今日みられるような複雑な土質を生み出しています。
今日、地球上に見られる土壌の厚さは平均して18㎝しかありません。年代計測により数千年から数十万年かけて出来上がっていると明らかになっています。
では、土は何からできているでしょうか。
個体、液体、気体の三つに分かれます。
①個体 有機物(生物、腐植)無機物(砂、粘土、鉱物から溶出したミネラル)
②液体 土壌水分(水に溶ける養分)
③気体 土壌空気(大気より酸素が少ない)
土はどのようしてできるのでしょうか。
何も起こらなければ地表はいつまでも岩盤のままです。
必要になるものは、原料となる岩石気候、雨や気温、空気、生物、時間
岩石に、雨が当たることで溶かします。
生物(動物、植物、微生物)と気温の効果で化学反応を促進します。(有機物の分解等)
空気 酸素によって酸化を促し、二酸化炭素は雨に溶け込み物質を溶かします。
時間 土壌を生成するための時間(数千から数万年)
筆者の師匠である土壌学の教授は、「土作り」をいう言葉を非常に嫌いました。
気の遠くなるような様々な地球での現象によってできた「土壌」を「作る」などどいうのはおこがましい。
その通りだと思います。
では、何を心がけるかです。
今、家庭菜園や農業を行っている土を貴重なものであると自覚して、その土を消耗させずにしっかりと管理していく「育土」「持続土」かなと思います。
どこにでもある、すぐ足元にある。
当たり前のものですが成り立ちを知るともう少し見る目が変わるかなと思います。
筆者の土壌に対するルーツになる考えでした。
ありがとうございました。
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