炭 プランター農業 オリジナル培養土の中身とは9
炭といればバーベキューに使用するイメージがありますね。
その性質から農業でも利用されています。
その歴史は古く1696年の宮崎安貞著「農業全書」巻の一に登場する。いろいろなものを蒸し焼きにした焼糞と下肥を混ぜたもの。水田にも小麦や野菜にも良い。こと豆に関しては比べ物のない肥である。
「百姓伝記」巻六にはわら灰をやると病気や虫がつかない。
蒸し焼きにしたものは一種の炭でくん炭に似たもののようです。
肥料や農薬がなかった時代には自然の力、微生物の力を最大限に生かした栽培技術が進んでいたようである。
微生物の活動や作物と共生する微生物の活性を高めることが分かったのはごく最近です。
炭の原料によって性質が異なります。一つずつ説明していきます。
この世界奥が深すぎるのであっさりと行きます
まず、大雑把に白炭と黒炭に分けられます。
白炭は、炭焼き温度が高く、硬く、煙が少なく、遠赤外線を多く発生させるため調理用に用いられることが多い。
黒炭、白炭と比べ炭焼き温度が低く、着火のしやすさ扱いやすさから、茶道、鍛冶、バーベキュー、料理、土壌改良剤様々に使われる。
土壌改良剤としては主に黒炭が使われます。
主な効果
①多孔質のため、保水性が向上する。
②粒子が土より大きいので隙間が多くなり、排水性が高まる。
③樹木に含まれる成分が炭化しミネラルとして供給される。
④pHが高い
①、植物の体には、水分を運ぶストローと養分を運ぶストローがあります。
これが炭になることでストローの集合体のような状態になります。このストローの部分には水をためることができます。この作用で土の保水性が向上します。
②、土の粒子よりも大きい炭が混ざることで、炭と土の間の水が下へ流れやすくなり排水性が向上します。
③、植物の体は様々な成分でできています。その成分を利用するために腐らせたり、細かくしたりするわけですが、もっともロスなく手に入れるには焼くのが一番です。
焼くことで植物に含まれるミネラルが水に溶けるようになり植物へ供給されます。
④pHがアルカリ性で8~8.5あります。酸性を改良するために使用できます。
それではどんな炭があるか述べていきます。
のこくず炭
スギ、ヒノキ、外材などの針葉樹およびラワン材ののこくずが原料。
大型の炭焼き炉が使われ高温で炭化させてあり、白炭に近い。
のこくずなので非常に粒子が細かく、飛び散りやすい。
pHが高い8.5程度
大規模につくられるので品質が安定している。
細かいため表面積が大きく、土壌中の微生物を活性化しやすい。
樹皮炭
製造方法で品質にばらつきがあることが多い。
pHは8.5~9.0程度
粒子が大きく、穴も大きい。微生物の中でも糸状菌が好む。
木酢液と混合して発根促進や土壌病害抑制の目的で使われる。
もみがらくん炭
おそらく炭製品の中で最も手に入りやすい資材である。
pHは最も高く10を超えることもある。
リン酸やカリが多く含まれる。
ざっとそれぞれの性質を述べてきました。
ここからは実践編です。
筆者の使い方
手に入りやすいのでもみがらくん炭をすることが多いです。
培養土にMAX20%まで添加。最初は、アルカリ害心配していたが、むしろ好調なくらい。単純なカルシウムのみでのpHの上昇ではないからと考察しています。含まれるカリウムもpHはものすごく高いので。
畑 15ℓ/㎡施用。土が柔らかくなり、苗を植えた時の根張りがよくなる。pHが心配であれば降雨を待ってから植え込みを行う。
アルカリ分が心配な場合、くん炭と木酢液200倍液を同量バケツに入れ3日ほど放置する。その後、液を取り測定。6.5程度になったら水を切り使用する。漬け込んだ木酢液も10倍ほど薄めて水やりに利用する。くん炭自体のpHも下がるし、木酢液にミネラルが溶け出しているので無駄なく利用できる。
いかがでしたでしょうか。
よく目にする炭ですが実はすごいやつです。
余談ですが、消臭剤、床下調湿剤、水質浄化、融雪剤等様々な使われ方をしている炭です。
今後の活躍に期待ですね。
ありがとうございました。
コメント
コメントを投稿