鹿沼三兄弟(黒土、赤土、赤玉土、鹿沼土)プランター農業 オリジナル培養土の中身とは1
プランター農業で使用するオリジナル培養土に含まれる資材について少しずつ書いていこうと思います。
今回は最も多く配合している鹿沼三兄弟(黒土、赤土、赤玉土、鹿沼土)をピックアップしていきます。
ホームセンターなどで売られている土で、黒土、赤土、赤玉土、鹿沼土は全て同じ場所から産出されます。おもに栃木県鹿沼市からです。
上から掘っていき、黒土層→赤土層→鹿沼土層となります。赤土層と鹿沼土層は場所によって入れ替わることもあるようです。
赤土を乾燥させ、ふるいにかけて、粒をより分けると赤玉土が出来上がります。
一方、鹿沼土は粒の状態で産出されます。そして土とありますが軽石の仲間です。
さて、この鹿沼三兄弟(黒土、赤土、鹿沼土)すべてに言える特徴ですが物理性(透水性、保水性)は最高、化学性(保肥力)は、土自体は中から下、黒土は腐植を多く含むため中程度。酸性。しかも、アルミニウムを多く含むためリン酸が効きにくいという性質があります。
ここからは、経験に基づく話になりますので正確さを欠くかもしれません。
私は、すべての土を使って培養土作成をしたことがあります。肥料の組成もほぼ一緒です。
リン酸を効きにくくさせる力に違いがあるような気がしてならないのです。
効きにくい順から黒土>赤土(赤玉土)>鹿沼土です。
粒子が細かい順になっているので表面積の問題ではないかと考察しています。
よく、肥料をやるときには8-8-8(NPK=8%ずつ)を100g/㎡等書いてあります。
上記の通り肥料を入れると8gずつ成分が入ります。この方法を上記の鹿沼三兄弟に混ぜるとリン酸が吸着されてほぼ0に近い値になってしまいます。
そうすると肥料をやったのに植物が生長しない。という事態に陥ります。
では、この使いにくい性質のある材料をどう使うのか。
できれば、簡単、安価なもので良いのでpHメーターの購入を勧めます。
まずは、酸性改良。
最初はpH4.5~5.5程度です。
培養土なら土1ℓに対して0.6gの苦土石灰
よく混ぜて、pHメーターで測る。恐らく0.5程度上がっていると思います。
今度は1g入れて同じことをする。
ここで6.5~6.8程度になっていればオーケーです。
畑であれば100g/㎡ずつ入れて測ってを繰り返します。
もし、怖ければ入れる量を減らして混ぜる回数を増やしてください。
ホウレンソウなどの好アルカリ植物はさらに混ぜて7.2~7.5を目指すといいです。
エンドウなどは7を超えていたほうが連作障害が低減できます。
この石灰を混ぜる操作は慎重に行ってください。最初は0.5ずつ程度上がっていたものがある程度入れると同じ量でも1ないし1.5上がることがあります。土質に大きく影響されます。
苦土石灰の理由も書きたいですが、石灰だけで投稿1ページ分語れますので割愛します。
「pHが上がり過ぎたら下げればいいじゃないか。」と思いますよね。
土のpHを上げるには石灰資材。下げるには硫黄、硫酸、塩酸、酢酸を使用します。上げたり下げたりを繰り返すと土の中に「塩」と呼ばれる物質が蓄積します。その「塩」が原因で植物を栽培できなくなる危険性があるからです。
この話も投稿で上げていくようにしますね。
そして問題のりん酸です。
土を作る際にリン酸を多くしてやります。
例えば、1㎡なら8-8-8の肥料を100gとようりんや過リン酸石灰(りん酸20%)100g入れます。
こうすると8-29-8になります。このようにリン酸をたくさん入れて土のお腹をいっぱいにしてやります。
そうすると、吸収しきれなかったリン酸が土の水分に染み出してきます。それを植物が吸収して大きくなります。
一度、お腹をいっぱいにしてやれば、本に書いてあるような肥料の管理でよくなります。
酸性を改良し、リン酸でお腹いっぱいにした鹿沼土三兄弟は最高の土に変貌を遂げます。
前記していた物理性 保水性◎ 排水性◎ 通気性◎(黒土は〇)
化学性 保肥力〇 中性(6.5〜6.8)
培養土のベースとして使うには最高です。
培養土づくりはここから始まります。
さらに資材を混ぜて性能を補強したり、性質を変化させたりする加工をしていきます。
今回は、何より重要なベースの土の話でした。
ありがとうございました。
余談になりますが、応用編としてリン酸を吸着する黒土を使用して、リン酸が多すぎる畑や培養土に混ぜて化学性を改良するということもします。
欠点も視点が変われば長所に変わる。農業って面白いね。
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