農薬?肥料?窒素?不思議な石灰窒素の話 プランター農業 オリジナル培養土の中身とは6

 

農薬でもあり、肥料でもあり、石灰でもあり、腐熟促進剤でもある不思議な肥料「石灰窒素」について書いていきます。

途中で読むことをやめてしまうと大きな誤解を生みます。必ず最後までお読みください。

その歴史は非常古く、1895年にはじめて合成された。その特異な特徴から今でも重要な窒素肥料であるし、石灰肥料でもある。

主成分はカルシウムシアナミド60%と窒素21%を含むため、硫安と同程度、消石灰と同程度の肥料がある。

農薬としての効果。

土に混ざると、水分と反応してカルシウムシアナミドからシアナミドに変化します。このシアナミドが生物に対して有毒で、種子に触れれば発芽を阻害し、葉にかかれば枯れる。逆にこの特性を生かせば、土壌中の病害虫や雑草を防除することに役立つ。秋に使用すると種が春と勘違いして一斉に発芽しその後の霜で枯れるという効果もある。

肥料としての効果。

シアナミドは土の中でさらに分解されると、肥料である「尿素」に変わります。この尿素はさらにアンモニアへと変化します。この後に速効性のあるチッソに変化しますが、この変化をゆっくりにする効果があるため緩やかに植物へ供給されます。

窒素と石灰が含まれるため、有機物の腐熟を促す作用があります。

ここで具体的な使用方法です。

注意点として、必ず直接触れないように注意してください。ゴム手袋、長靴、マスクをしましょう。風の強い日は避けたほうがいいでしょう。

畑であれば20g/㎡、培養土であれば0.2g/ℓを基本とします。

pHメーターで測定し、7.0以上ある場合には使用しないほうがいいでしょう。

6.5程度であれば基本の量、6.8程度なら基本の半分程度混ぜてください。

よく混ぜ合わせ、夏なら7日、冬なら10~14日置きます。

その後pHを測り、7.0より下回っていれば問題ないです。

堆肥や残渣を漉き込むときに使う方法です。

堆肥1キロ当たり20~40グラムをよく混ぜこみ、切り返しをしながら腐熟させる。3~5か月で完成する。

緑肥や残渣をすきこむ際には20~60g/㎡を振りまいたのちによく耕す。

筆者の使い方

トマトなどが終わった後に、石灰窒素を振りまいて寝かせておき、しっかりと農薬としての効果を引き出す。

一度使用した培養土に、堆肥を投入し、石灰窒素も一緒に入れる。前策の病気や、害虫を殺すとともに、万が一堆肥が未熟だった場合の害を未然に防ぐ。

有毒であったり、取り扱いに注意が必要な資材ではあるが、正しく使用すればとても素晴らしい効果のある資材です。培養土の再生や土の病気が増えてきた際にはぜひ使用したい資材の一つである。

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